インプラント治療の利点と進め方
インプラント治療に対する否定的な意見が多い一方で、
私自身の経験から言えるのは、インプラント治療が非常に満足度の高い治療法であることです。
インプラント治療についての誤解や不安が広まっているようですが、正しい知識を持って欲しいと思います。
インプラント治療は、歯を失った際の優れた選択肢の1つです。
この治療法は、顎の骨に人工の歯根を埋め込む手術を含み、他の治療法と比較して
より複雑で大規模なものと考えられることがあります。
しかし、その一方で、インプラント治療は多くの利点を提供します。
以下は、インプラント治療の5つの主要な利点です。
他の歯を削る必要がない。
しっかりと噛む力を取り戻すことが出来る。
視覚的にも自然で美しい見た目を実現。
インプラントは虫歯にならない。
他の歯に負担をかけない。
これらの利点を考えると、インプラント治療は全体的に見て非常に優れた
選択肢であることが分かります。
インプラント手術には一回法と二回法の2つの主要な方法があります。
それぞれに特徴があります。
一回法は、手術が1回で完了する方法です。局所麻酔を受けた後、
歯茎を切開し、骨に穴を開けてインプラントを埋め込みます。
一回法は、骨量が十分にある場合、また骨質が良い場合に適しています。
私のオペは90%以上この一回法です。
一方、二回法は、2回の手術で行う方法です。最初の手術では、
インプラントを埋めて完全に歯茎で覆い、骨にしっかりと結合させます。
2回目の手術では、歯茎を再び切開し、インプラントを露出させ、
頭出しをしてヒーリングキャップを取り付けます。
この方法は骨量が不足している場合にも使用できます。
痛みについて心配している方も多いかと思いますが、実際のインプラント手術では、
局所麻酔を受けているため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
抜歯と同じくらいか、抜歯より痛くなかったと言われる方も多く
私はなるべく痛みや腫れの少ないインプラントオペをモットーにしています。
手術後に痛みが出る場合もありますが、処方される痛み止めで対処できることが
一般的です。
ただし、骨の量が不足している場合や骨移植が必要な場合は、
通常よりも痛みが強くなる可能性があります。
また、手術中の緊張や不安に対処するために、静脈内鎮静法(セデーション)や
全身麻酔を利用する歯科医院も存在します。
当院では歯科麻酔専門医による静脈内鎮静法(セデーション)には対応可能ですが
全身麻酔には対応していません。
静脈内鎮静法(セデーション)は、ほとんどウトウトと眠っているような間に
オペが終わる、半分の時間に感じられる、恐怖感が少なくなる等の
多くの利点があります。
そのため、これらの方法を検討することで、手術を受ける際の不安を大幅に軽減できます。
インプラント手術の流れは以下の通りです。
カウンセリング:患者と治療についての詳細な話し合いを行います。
精密検査と診断:レントゲンや歯科用CT撮影を使用して、骨の状態や治療計画を確立します。
インプラント手術:局所麻酔を受けた後、手術を実施し、インプラントを埋め込みます。
結合期間:インプラントが骨にしっかりと結合するのを待ちます(約3か月)。
アバットメントの装着:二回法の場合、歯茎を再び切開して頭出しをします。
被せ物の型取りと装着:被せ物を作製し、適合具合を確認して取り付けます。
定期的なメンテナンス:治療後もインプラントの健康を維持するために定期的なメンテナンスが必要です。
手術後の注意点も把握しておくことが重要です。痛みや腫れが一時的に現れることがありますが、
医師の指示に従い、適切にケアを行うことで問題ありません。
また、禁煙や飲酒の制限など、術後の生活にも注意が必要です。
インプラント治療は、適切な知識と情報を持つことで、不安を和らげることができます。
質問や疑念がある場合は、歯科医師に相談し、納得の上で治療を進めましょう。