舌癌の早期発見につながった症例と、歯科医院での役割について
舌癌の早期発見につながった症例と、歯科医院での役割について
こんにちは。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック院長の中野です。
今回は、当院での診療を通じて舌癌の患者さんを早期に発見し、
大学病院へ紹介したことで感謝状を頂いた出来事について
お話ししたいと思います。
そしてあわせて、舌癌の診断・早期発見において
「スコープ(口腔内観察用スコープ)」が
非常に有用であるという点もお伝えしたいと思います。
ある日、初診の患者さんから「舌に違和感がある」
「治らない口内炎のようなものがある」というご相談を受けました。
見た目だけでは一見すると、よくある口内炎や軽い炎症の
ようにも見える状態でしたが、患者さんのお話を詳しく伺うと、
長期間にわたって症状が続いていることが分かりました。
この「なかなか治らない」という点は、私たち歯科医師にとって
非常に重要なサインです。
また今回一番大きな問題は当院に来る前の歯科医院では
「舌は問題ないと診断されていたことです。」
そこで、通常の視診・触診に加えて、口腔内スコープを
用いた詳細な観察を行いました。
スコープを使うことで、肉眼では分かりにくい
粘膜の状態や表面の変化を特殊な光を当てた状態の
判断と確認をすることができます。
今回は光を当てたスコープで黒色の反応が出ました。
その結果、「これは念のため専門機関で精査を
受けていただいた方が良い」と判断し、
速やかに大学病院の口腔外科へ紹介させていただきました。
その後、大学病院で精密検査が行われ、
舌癌であることが判明しました。
幸いにも比較的早い段階での発見であったと伺っています。
この一連の対応に対して、後日、大学病院から
感謝状を頂くことになりました。
歯科医師としてこれほどありがたく、また
身の引き締まる思いになることはありません。
舌癌をはじめとする口腔癌は、早期発見が非常に重要です。
進行してから発見されると、治療が大掛かりになったり、
発音や食事に大きな影響が出たりすることも少なくありません。
しかし、早期に見つかれば、身体への負担を抑えた治療が
可能になるケースも多いのです。
では、なぜ舌癌は見逃されやすいのでしょうか。
その理由の一つは、「口内炎と症状が似ている」ことです。
痛みがあったり、白っぽくなったり、赤くただれて見えたりするため、
患者さんご自身も「そのうち治るだろう」と思ってしまいがちです。
しかし、2週間以上治らない口内炎のような症状がある場合は、
必ず歯科医院や医療機関を受診していただきたいと思います。
ここで重要になるのが、歯科医院でのチェック体制です。
当院では、歯だけでなく、舌・歯ぐき・頬の内側・口腔粘膜全体を
日常診療の中で確認するよう心がけています。
その際に大きな力を発揮するのが、口腔内スコープです。
スコープを使うことで、微妙な色調の変化や表面構造の異常を見逃しにくくなり、
より確実な判断につながります。
もちろん、スコープで見ただけで確定診断ができるわけではありません。
しかし、「何かおかしい」「念のため専門医に診てもらおう」という
を早く下せることが、結果として患者さんの命や生活の質を守ることにつながります。
今回、感謝状を頂いたことは大変光栄なことですが、それ以上に、
「歯科医院が果たすべき役割」を改めて実感する出来事でした。
歯科医院は、虫歯や歯周病を治療する場所であると同時に、
お口の中の異常を早期に発見する最前線でもあります。
もし、
・舌に違和感がある
・治らない口内炎がある
・出血やしこりが気になる
といった症状があれば、どうか放置せず、
早めに歯科医院を受診してください。
そして私たち歯科医師も、スコープなどの機器を活用しながら、
これからも地域の皆さまの健康と命を守るために、
丁寧な診療を続けていきたいと思います。
口腔内ガンのスクリーニングのためのスコープは決して安い
機械ではありません。そのために多くの歯科医院ではいまだに導入が出来ていません。
しかし、私たちは一人でも患者さんの命を守るために、全ての歯科医院への
口腔ガン検診用のスコープの設置を希望いたします。
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