少数歯残存無歯顎症例の治療戦略：オールオンフォーとザイゴマインプラントについて

こんにちは、なかの歯科・矯正歯科クリニック院長の中野です。今回は、「少数歯残存無歯顎症例の治療戦略」について、特にオールオンフォー（All-on-4）とザイゴマインプラントを含めた治療法をご紹介いたします。これらの治療法は、歯がほとんど残っていない、または完全に歯を失った患者様にとって、機能的かつ審美的な解決策を提供します。

少数歯残存無歯顎症例とは？

少数歯残存無歯顎症例とは、上顎または下顎にわずかに残っている歯がある状態のことを指します。このような状態では、咀嚼や発音、審美的な問題が生じ、患者様の日常生活に大きな影響を与えることがあります。従来の義歯や部分入れ歯では満足な結果が得られないことも多く、インプラント治療が有効な解決策となります。

オールオンフォー（All-on-4）の治療戦略

オールオンフォーは、少数歯残存無歯顎症例に対する効果的な治療法の一つです。この治療法では、上下の歯列全体をわずか4本のインプラントで支えるため、治療期間の短縮とコスト削減が可能です。

1. 治療の流れ

1. 初診と診断：患者様の口腔内の状態を詳細に診断し、治療計画を立案します。必要に応じてCTスキャンを行い、インプラントの埋入位置を正確に決定します。
2. 手術当日：抜歯が必要な場合は抜歯を行い、4本のインプラントを埋入します。手術は局所麻酔下で行われ、数時間で終了します。
3. 仮歯の装着：手術当日に固定式の仮歯を装着するため、患者様はすぐに新しい歯で日常生活を再開できます。
4. 治癒期間：インプラントと骨が結合するまでの数ヶ月間、仮歯で過ごしていただきます。
5. 最終補綴物の装着：インプラントがしっかりと固定された後、最終的な人工歯（クラウン）を装着します。

2. メリット

• 短期間での治療完了：手術当日に仮歯を装着するため、短期間で新しい歯を手に入れることができます。
• 高い安定性と機能性：4本のインプラントがしっかりと固定されるため、安定性が高く、自然な噛み心地と発音が可能です。
• コスト削減：使用するインプラントの本数が少ないため、治療費を抑えることができます。

ザイゴマインプラントの治療戦略

ザイゴマインプラントは、特に上顎の骨が不足している患者様に対して有効な治療法です。この方法では、上顎の頬骨（ザイゴマ）にインプラントを固定するため、骨移植を必要とせずに治療を行うことが可能です。

1. 治療の流れ

1. 初診と診断：CTスキャンを用いて、頬骨の状態を詳細に診断し、インプラントの埋入位置を決定します。
2. 手術当日：局所麻酔または全身麻酔下でザイゴマインプラントを埋入します。手術時間は通常2時間から4時間程度です。
3. 仮歯の装着：オールオンフォーと同様に、手術当日に固定式の仮歯を装着します。
4. 治癒期間：インプラントと骨が結合するまでの数ヶ月間、仮歯で過ごしていただきます。
5. 最終補綴物の装着：インプラントが固定された後、最終的な人工歯を装着します。

2. メリット

• 骨移植の回避：上顎の骨が不足している場合でも、頬骨にインプラントを固定するため、骨移植を必要としません。
• 高い成功率：頬骨は骨質が硬いため、インプラントの成功率が高く、長期的な安定性が期待できます。
• 即時負荷：オールオンフォーと同様に、手術当日に仮歯を装着することで、早期に機能を回復できます。

まとめ

少数歯残存無歯顎症例に対する治療戦略として、オールオンフォーとザイゴマインプラントは非常に有効な選択肢です。なかの歯科・矯正歯科クリニックでは、患者様の状態に合わせた最適な治療法を提案し、安心して治療を受けていただけるようサポートしています。これらの治療に関するご相談やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

岡山の歯医者
「なかの歯科・矯正歯科クリニック」 院長中野 浩輔

• 昭和62年3月 岡山大学歯学部 卒業
• 昭和62年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 研修医
• 昭和63年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 文部教官助手
• 平成4年4月 「なかの歯科クリニック」を開設

当院は、岡山市北区矢坂東町での開院当初から3つのスローガン「待たせない」「痛くしない」「よく説明する」を掲げた歯医者作りをしています。