外科医のA先生
外科医のA先生
外科医のA先生は長い間、当院の患者様でありましたし、
私も長い間、Aクリニックの患者でもありました。
私が30年前33歳の時に極真空手で中学生と組み手をして、
ボコボコにやられ肋骨を骨折した時にも
私の治療をしてくれたのはA先生でした。
私より年上のA先生には私は大変可愛がってもらいました。
病院の忘年会や飲み会にも部外者で私だけ呼んで貰ったり、
医療人としても多くのことを教えて頂きました。
「中野先生、知っていますか?医師の中ではこんな噂があります。
優秀な医師は自分の専門分野の病気で自らの命を
落とすことが多いんです。
例えば胃がんが専門の一流の医師は
自分も胃がんで命を落とすことがあります。
だから長生きしたい男性の医師は
婦人科の医師を目指すんです。
最後は冗談ですけどね。」
先生は自分の病気のことをこの時から知っていたのだろうか?
「中野先生、知っていますか?医療の世界にも目に
見えない力が働くことがあるんです。
小さなガンなら祈るだけで治すことが出来ることがあるんです!」
先生は自分の病気のことをこの時から知っていたのだろうか?
ある時、A先生に私はこう言われた。
「中野先生にお願いがあります。
この医療法人の理事になって貰えませんか?」
「いやいや恐れ多いです。」と33歳の私は断ってしまった。
私はなぜあの時にお世話になっていたA先生のお願いを
断ってしまったのだろうか?
あの時に私が医療法人の理事になっていれば、
今の状況を防ぐことが出来たかもしれないし、
出来なかったかもしれない。
でも大丈夫です、私は歯科医師の道を粛々と
これからも進んで参ります。