歯科治療の安心を支える「全身管理」―スタッフに講義を行いました
歯科治療の安心を支える「全身管理」―スタッフに講義を行いました
皆さん、こんにちは。岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック、院長の中野です。
先週の土曜日、私が講師となり、当院のスタッフに「歯科医院の全身管理」をテーマとした講義を行いました。
「歯医者さんで全身管理の勉強をするの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。歯科医院というと、虫歯や歯周病の治療、歯並びの改善など、お口の中を診る場所というイメージが強いですよね。しかし、私たちが日々の診療で大切にしているのは、患者さんのお身体の状態にも目を向けながら治療を進めることです。
今回の講義では、持病のある患者さんへの配慮から、治療中の体調の変化、万が一の緊急時の対応まで、資料を使いながら説明しました。患者さんに安心して通っていただくために、スタッフと共有しておきたい内容です。
歯科医院には、高血圧や心臓の病気、脳血管の病気、呼吸器の病気など、さまざまなご病気をお持ちの方が来院されます。同じ歯科治療であっても、お身体の状態や服用されているお薬によって、注意すべき点は異なります。
そのため、治療前にこれまでのご病気や現在の通院状況、お薬について確認することには、大切な意味があります。
問診票へのご記入や、お薬手帳のご提示をお願いするのも、そのためです。患者さんにはお手間をおかけしますが、安全に配慮した診療を考えるうえで、欠かせない情報になります。「歯の治療には関係ないかな」と思われることでも、気になる変化があれば、どうぞお聞かせください。
講義では、心臓の病気の既往がある方について、いつ頃発症されたのか、どのような治療を受けているのかといった確認の大切さも取り上げました。病名を知るだけで終わらず、現在の状態を理解しようとする姿勢が必要だと考えています。
また、生体モニターについても説明しました。血圧や脈拍、血液中の酸素の状態など、画面に表示される情報が何を表しているのかを学ぶ内容です。
機器は、患者さんの状態を把握する助けになります。同時に、患者さんの表情や顔色、呼吸の様子、お声の変化に気を配ることも大切にしたいと思っています。数字を確認することと、目の前の患者さんをよく見ること。その両方を意識して診療にあたる必要があります。
歯科治療に対して、「痛くないだろうか」「麻酔が怖い」と不安を感じる方もいらっしゃいます。診療台に座るだけで緊張するというお気持ちも、私たちは受け止めなければなりません。
だからこそ、これから行う処置をわかりやすくお伝えし、途中でもお声をかけ、患者さんが気持ちを伝えやすい雰囲気をつくることを大切にしています。全身管理について学ぶことは、こうした日々の接し方を見つめ直す機会にもなります。
今回の資料では、治療中に気分が悪くなった場合や、過呼吸、アレルギーによる重い反応、誤飲・誤嚥など、歯科診療の場で備えておくべき事態も取り上げました。
もちろん、こうしたことが起こらないよう、事前の確認と配慮を重ねることが基本です。そのうえで、万が一のときにどう動くかを学んでおくことも、医療に携わる私たちの責任だと思っています。
患者さんの異変に気づいたら、すぐに周囲へ伝える。歯科医師の指示のもとで必要な対応を行う。状況に応じて救急要請につなぐ。いざというときに連携するためには、スタッフが共通の知識を持っていることが大切です。
緊急時に使用する薬剤や器具についても資料で取り上げ、それぞれの役割を説明しました。必要な場面を理解し、対応につなげられるように学んでおく。その準備の大切さを、今回の講義で伝えたいと考えました。
患者さんと接する機会は、歯科医師だけにあるわけではありません。受付でお話しするとき、診療室へご案内するとき、治療の準備をするときにも、体調について伺える場面があります。
「今日は少ししんどそうだな」「いつもと様子が違うな」。そんな小さな気づきを、遠慮なく共有できる医院でありたいと思います。一人の気づきをチームで受け止め、必要な確認につなげることが、患者さんを支える力になります。
私自身、スタッフに伝えるために講義を準備することは、日々の診療を振り返る機会になります。普段行っている確認にも、一つひとつ理由があります。その理由まで理解してもらえるよう、これからも丁寧に伝えていきたいと思っています。
今回学んだ内容も、一度聞いて終わりにせず、日々の診療の中で繰り返し確認していくことが大切です。知識を共有し、必要なときに行動できるよう、学びを積み重ねてまいります。
お口の健康を守るために、お身体の状態にも心を配る。そして、患者さんの不安や小さな変化に気づけるチームをつくる。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックでは、これからもスタッフとともに学び、安心して通っていただける医院づくりに取り組んでまいります。
持病やお薬のこと、治療への不安などがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。皆さんのお話を伺いながら、お一人おひとりに合った診療を考えていきたいと思っています。
土曜日の診療後に勉強のため、残って私の話を聞いてくれたスタッフに感謝!!