なぜ、オールオン4は「たった4本」で支えることができるのか?
こんにちは。
岡山市北区で開業している
なかの歯科クリニック
院長の中野です。
「総入れ歯は、もう嫌だ」
「でも、歯を全部インプラントにするのは
お金も時間もかかりすぎる」
そんな悩みを抱える方に選ばれているのが
「オールオン4(All-on-4)」という治療法です。
ただ、初めてこの言葉を聞いた方の多くが、
こう思う方もいらっしゃるかもしれません。
「上の歯も下の歯も、全部で10本以上あるのに、
たった4本のインプラントでどうやって支えるの?」
今日は、この疑問に
できるだけ専門用語を使わずに
お答えします。
そもそも「1本の歯に1本のインプラント」じゃダメなの?
昔ながらのインプラント治療は、
抜けた歯の分だけインプラントを
埋め込むのが基本でした。
歯が10本ないなら、
インプラントも10本必要、
という考え方です。
これにはメリットもありますが、
総入れ歯に近い状態の方
(歯がほとんど残っていない方)には
大きな壁があります。
- 手術の回数が多く、体への負担が大きい
- 治療費が非常に高額になる
- 顎の骨が痩せている場所には、そもそもインプラントを埋められない
つまり「本数が多いほど良い治療」
というわけではなく、
本数が多いほどハードルも上がる、
というのが実情です。
発想の転換 「歯を1本ずつ支える」のではなく「橋を架ける」
オールオン4の考え方は、
まったく違う発想から生まれました。
イメージしてほしいのは、橋の建設です。
橋は、川の底一面に橋脚(きょうきゃく=支える柱)を
並べているわけではありませんよね。
要所要所にしっかりした柱を数本立てて、
その上に頑丈な橋桁(はしげた)を渡すことで、
長い橋全体を支えています。
オールオン4も同じ考え方です。
- 歯ぐきの中に埋め込む4本のインプラントが「橋脚」
- その上に固定される、人工の歯が並んだ橋のような部分が「橋桁」
1本1本の歯を個別に支えるのではなく、
4本の柱で「歯の土台全体」を面として支える。
これが、たった4本で足りる理由の本質です。
なぜ「4本」なのか? 本数と位置に隠された工夫
「じゃあ2本でもいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、これには理由があります。
1. 前と奥、バランスよく支える
4本のインプラントは、
顎の中に均等に埋め込まれるわけではありません。
多くの場合、
- 前歯側に2本を垂直に近い角度で
- 奥歯側の2本を、あえて斜めに傾けて
埋め込みます。
前だけ、奥だけに柱を集めると、
橋がシーソーのように傾いてしまいます。
前後に力の受け皿を分散させることで、
噛む力を全体で受け止め、
安定させているのです。
② 斜めに埋めることで、骨が少ない人にも対応できる
これがオールオン4の
もう一つの大きな工夫です。
歯を失って年数が経った方は、
奥歯のあたりの顎の骨が痩せていることが多く、
まっすぐインプラントを埋めようとしても、
骨の量が足りないケースが少なくありません。
そこで奥のインプラントをあえて斜めに
傾けて埋め込むことで、
骨がまだ十分に残っている部分を
斜めに縫うように利用し、
骨造成(骨を増やす追加手術)を
せずに済むケースが多くなります。
これにより、
手術の負担や治療期間、費用を
大きく抑えられます。
③ 「面」で支えるから、力が分散する
橋桁と同じで、人工の歯の部分は
一体化した頑丈な構造になっています。
噛む力が加わったとき、
その力は1本のインプラントに集中するのではなく、
構造全体、4本の柱に分散されます。
だからこそ、本数は少なくても、
しっかりと噛める強度が生まれるのです。
まとめ
従来のインプラントは、
歯の本数分だけ1本ずつ支える
という考え方でした。
それに対してオールオン4は、
4本の柱で全体を「面」として支えるという、
まったく異なる発想に立っています。
また、従来のインプラントは
骨が少ない部分には埋め込めず、
追加で骨を増やす手術が必要になる
ことも珍しくありませんでした。
オールオン4では、
あえて斜めに埋め込むことで、
骨が少ない方でも対応しやすくなっています。
その結果、
従来は治療期間や費用が
どうしても大きくなりがちだったのに対し、
オールオン4は本数が少ない分、
体への負担や費用を抑えやすい
というメリットが生まれます。
オールオン4は
「本数を減らして簡易にした治療」ではなく、
橋の構造力学のような発想を応用し、
少ない本数で最大限の安定を生み出すために
設計された治療法なのです。
もちろん、骨の状態や噛み合わせ、
全身の健康状態によって、
オールオン4が適しているかどうかは
一人ひとり異なります。
「自分の場合はどうなんだろう?」
と思われた方は、レントゲンやCT撮影による
顎の骨の状態確認から、
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