近くのこども園で「一生モノの歯並び」について質問タイムも含めて60分間お話ししてきました!
こんにちは。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック院長の中野浩輔です。
先日の土曜日、当院の近くにあるこども園からお声を掛けていただき、お子様と保護者の方、合計約40名を前に質問タイムも含めて60分間の歯科セミナーを行ってきました。
今回のテーマは、
「一生モノの『歯並び』は、0歳からの土台づくりで決まる。」
です。
歯科医師として長年診療を続けていると、最近特に感じることがあります。
それは、
「歯並びの悪いお子さんが本当に増えている」
ということです。
もちろん歯並びには遺伝的な要素もあります。
しかし、それだけではありません。
実は毎日の食事、呼吸、姿勢、寝方、そして何気なく行っている「癖」が、顎の成長や将来の歯並びに大きく関係しています。
今回のセミナーで私が一番お伝えしたかったことは、
「きれいな歯並びをつくるためには、まず歯がきれいに並ぶための『顎という土台』をしっかり育てることが大切です」
ということでした。
歯並びの問題は「歯」だけの問題ではありません
永久歯が生えてきて、
「あれ?歯がガタガタしている」
「前歯が出てきた」
「歯が重なって生えてきた」
と気づいてから歯科医院へ相談される保護者の方は少なくありません。
しかし、そのずっと前から顎の成長は始まっています。
今回のセミナーでは、顎の成長を大きく、
0~1歳、2~3歳、4~6歳
という3つの時期に分けてお話ししました。
0~1歳は、まさに「顎の土台づくりの時期」。
まだ歯がほとんど生えていない時期から、将来の歯並びにつながる大切な成長は始まっています。
例えば添い寝をしながら、いつも同じ方向から授乳する。
いつも同じ方向を向いて寝る。
そんな日常生活の中の何気ない習慣によって、柔らかい赤ちゃんの顎に偏った力が加わり続ける可能性があります。
また、哺乳瓶やストローなどによる「吸う」という動作についてもお話ししました。
赤ちゃんの時には必要な動きでも、成長に伴って口の使い方も変わっていく必要があります。
2~3歳は「癖」が定着しやすい時期
2~3歳になると乳歯が揃い、子どもたちの行動も一気に活発になります。
この時期に気をつけたいのが、
指しゃぶりやおしゃぶりなど、口の周りの「癖」です。
特に長く続く指しゃぶりは、前歯を外側へ押す力として働き、出っ歯や上下の前歯が噛み合わない「開咬」などにつながることがあります。
「まだ小さいから大丈夫!」
と思われるかもしれません。
しかし毎日、弱い力でも同じ方向から長時間力がかかり続けると、成長途中の歯や顎に影響することがあります。
だからといって、子どもを叱って無理やりやめさせればいいという話でもありません。
大切なのは、お父さん、お母さんがまずその癖に気づくこと。
それが第一歩だと思います。
「お口ぽかん」になっていませんか?
今回、保護者の方にぜひ見てほしいとお話ししたのが、
お子さんが普段、口を開けたままになっていないか?
ということです。
テレビを見ている時。
ゲームや絵本に夢中になっている時。
寝ている時。
いつもお口がポカンと開いていませんか?
口呼吸が習慣になると、口の周囲の筋肉の使われ方にも影響します。
歯並びというと「歯」ばかりを見てしまいますが、実際には唇、舌、頬、噛む筋肉など、さまざまな力のバランスの中に歯は並んでいます。
だからこそ、
鼻で呼吸すること。
口をしっかり閉じること。
よく噛むこと。
こうした日常生活が大切なのです。
「よく噛む」ことは顎を育てる
そして、もう一つ大切なのが食事です。
柔らかいものばかりを食べていると、噛む回数はどうしても少なくなります。
顎は使うことで成長していきます。
私は今回、
「筋肉の緩みは顎を細くし、噛む力は顎を広げる」
というイメージでお話ししました。
もちろん、ただ硬い物を無理に食べさせればよいということではありません。
年齢に合った食材を、自分の歯でしっかり噛んで食べる。
食事を急がせず、噛む習慣をつくる。
こうした毎日の積み重ねが、将来永久歯が並ぶためのスペースを育てることにつながります。
4~6歳は永久歯への大切な準備期間
そして4~6歳。
いよいよ永久歯への生え変わりが近づいてきます。
この時期の顎の状態やお口の癖は、これから生えてくる永久歯の並び方にも関係してきます。
私は歯科医師ですから、必要であれば矯正治療をご提案します。
しかし、本当に理想を言えば、
できるだけ矯正治療を必要としないくらい、子どもの顎が健やかに成長してくれること。
それが一番だと思っています。
矯正装置を入れることだけが「歯並びの治療」ではありません。
その前に私たち大人ができることはたくさんあります。
60分では足りませんでした!
今回、約40名のお子様と保護者の皆様を前にお話ししましたが、気がつけばあっという間の60分でした。
歯科医院ではどうしても、
「虫歯になったから治療する」
「歯並びが悪くなったから矯正する」
という、問題が起きた後の対応が中心になりがちです。
しかし私はこれからの歯科医療は、もっと「問題が起こる前」に目を向けるべきだと思っています。
0歳からお口を見る。
顎の成長を見る。
呼吸を見る。
姿勢を見る。
食べ方を見る。
そして、お父さん、お母さんに正しい情報を知ってもらう。
もしかすると、それによって将来の歯並びが変わるお子さんがいるかもしれません。
今回のセミナーをきっかけに、ご家庭でお子さんの寝顔や食事の様子を少しだけ注意して見てもらえれば、歯科医師としてこれほどうれしいことはありません。
最後になりましたが、このような貴重な機会をつくっていただいたこども園の先生方、そして土曜日のお忙しい中ご参加いただいた保護者の皆様、お子様たち、本当にありがとうございました。
一生使う大切な歯。
そして、その歯が並ぶ大切な顎。
その土台づくりは、永久歯が生えてからではなく、もっともっと小さい頃から始まっています。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックは、虫歯を治すだけの歯科医院ではなく、地域のお子さんたちが一生、自分の歯で笑い、食べ、健康に過ごすためのお手伝いができる歯科医院でありたい。
今回のセミナーを終えて、改めてそんな思いを強くしました。
そして何より――
子どもたちの笑顔は最高ですね!
またぜひ、お話しに伺いたいと思います。