岡山大学歯学部での説明会に参加して感じたこと
金曜日の午後は診療を少し早めに切り上げて、母校である 岡山大学歯学部 に向かいました。
今回の目的は、現在6年生で来年から研修医となる学生の皆さんに向けて、当院である「岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック」の説明を行うことでした。
毎年この時期になると、各歯科医院や医療法人が集まり、学生さんたちに自院の特徴や魅力を伝える機会があります。
私自身も岡山大学歯学部2期卒業生として、少しでも後輩たちの進路選択の参考になればと思い、毎年参加しています。
今回、実は少し新しい試みを行いました。
プレゼンテーションの資料作成を、今私が一生懸命学んでいるAIに手伝ってもらったのです。
以前なら何時間もかけてPowerPointを作成していましたが、AIを活用することで短時間で見やすい資料が完成しました。
歯科医療の世界でもAIの活用は急速に進んでいます。
診断支援、画像解析、予約管理、患者説明、そして採用活動まで。
「AIなんてまだ先の話」と思っている先生もいるかもしれませんが、私は間違いなく今後の歯科界を大きく変える技術だと感じています。
説明会でもその話を少しさせていただきました。
プレゼンそのものは、自分なりにはうまくいったと思います。
当院の特徴である、
・中国四国でもトップクラスの歯科衛生士数
・インプラントや矯正など幅広い診療内容
・最新のデジタル歯科機器
・AI活用への取り組み
・働きやすい職場環境
などをしっかりお伝えできたと思います。
しかし今回、私はある大きな「違和感」を感じていました。
会場を見渡しても、私の後輩である先生方の姿があまり見えないのです。
以前なら院長や理事長クラスの先生方が前面に立って説明していたはずなのに、今回は若くてイケメンの先生たちが中心になってプレゼンを行っていました。
「時代が変わったなあ」
そんなことを感じながら説明会を続けていました。
そして説明会終了後、その理由がよく分かりました。
学生さんとの個別相談の時間になると、若いイケメンの先生方のブースには長い列ができているのです。
特に女性の学生さんたちは、若手のイケメンの先生の前にどんどん集まっていきます。
一方、私のブースはどうだったか?
もちろん相談に来てくださる学生さんもいましたが、若手の先生方ほどの行列はできません。
その瞬間、私は気付きました。
「そりゃそうだよな!」と。
私は今年63歳。
目の前にいる学生さんたちは23歳前後。
その年齢差は約40歳です。
親子以上の年齢差があります。
学生さんからすれば、
「実際の研修生活はどうですか?」
「若手の先生はどんな風に成長していますか?」
「休日はどう過ごしていますか?」
「結婚や出産と仕事の両立はできますか?」
そんな相談をしたい時に、私よりも年齢の近い先生に聞きたいと思うのは当然です。
私が学生だった頃を思い出してみても同じでした。
尊敬する教授や大先輩の話は勉強になります。
しかし本当に聞きたかったのは、自分に近い立場の若手の先生のリアルな声でした。
研修医になったばかりの頃の苦労。
勤務医時代の悩み。
初めて患者さんを担当した時の緊張感。
そういった話の方が、自分の将来を具体的にイメージできるからです。
若い先生方の人気ぶりを見ながら、私は少し寂しい気持ちになった反面、とても嬉しい気持ちにもなりました。
なぜなら、当院にも今は素晴らしい若手の先生がたくさん育っているからです。
私が一人で何でも説明する時代ではありません。
若い先生がいて、ベテランがいて、多くの歯科衛生士がいて、チームとして成長していく。
それこそが理想の組織です。
若い歯科医師の先生方へお伝えしたいことがあります。
皆さんが思っている以上に、学生さんは皆さんを見ています。
技術だけではありません。
どんな表情で働いているのか。
職場を楽しんでいるのか。
院長やスタッフとの関係は良好なのか。
その姿そのものが、最高の採用活動になります。
どれだけ立派なパンフレットを作っても、どれだけ素晴らしい福利厚生を並べても、最後に学生さんの心を動かすのは「この先生みたいになりたい」という憧れです。
私自身も若い頃、多くの先輩方に憧れてここまで歯科医師を続けてきました。
そして今は、自分が若手を応援する立場になっています。
来年の大学説明会はどうするか?
もう決めています。
私は後ろで見守りながら、当院の若手のイケメン先生たちに前面に立ってもらおうと思います。
もちろん私は院長として最後に少しだけ話をします。
しかし主役は若い先生たちです。
時代は変わります。
AIが普及し、歯科医療も大きく変化しています。
しかし変わらないものもあります。
それは「人が人を育てる」ということです。
来年の説明会では、若い先生たちが後輩たちに夢や希望を語る姿を、少し離れた場所から楽しみに見守りたいと思っています。